部署異動は逃げじゃない。看護師が異動を願い出るときの準備と伝え方
職場を辞めずに、毎日の顔ぶれと仕事の中身を変える方法。
公開日:2026-09-30
この記事の結論(カルテ)
- 対象読者:今の部署がしんどいが、病院そのものは嫌いではない看護師
- 結論:しんどさの原因が「部署」にあるなら、退職より先に異動を検討する価値がある
- 準備:理由を「逃げたい」ではなく「何をしたいか」に言い換えて、時期を決めて伝える
- 限界:病院全体の人手不足や給与の不満は、異動では変わらない
問診室:辞めたいのは、病院か、部署か
今の病棟、人間関係がほんとにきつくて……もう辞めようかと思ってます。
その「辞めたい」は、病院を辞めたいの? それとも今の病棟から離れたいの?
え……言われてみると、病院自体は嫌いじゃないです。給料も悪くないし。
だったら、先に考える道があるよ。部署を変えること。
異動で変わること、変わらないこと
変わること
- 毎日顔を合わせる人(上司・先輩・同僚)
- 仕事の中身(処置の多さ、急変の頻度、患者さんの層)
- 勤務の組み方(部署によって夜勤の有無や回数が違う)
変わらないこと
- 病院全体の人手不足
- 給与の仕組みと昇給のペース
- 病院の方針や、上の人たちの考え方
しんどさの原因が「変わること」の側にあるなら、異動は退職よりずっと軽い手で大きく状況を変えられます。原因が「変わらないこと」の側にあるなら、異動しても同じ壁にぶつかります。
退職より先に異動を考える理由
- 積み上げが途切れない:勤続年数、退職金、有給の残りがそのまま続く
- 手続きが軽い:転職活動、面接、新しい職場の書類がいらない
- 試せる:合わなければ、そのとき改めて転職を考えればいい
異動は「負け」ではありません。今の場所で力を出せない理由が部署にあるなら、場所を変えるのは合理的な判断です。
願い出る前の準備
1. 理由を「したいこと」に言い換える
「今の病棟がつらいから」だけで伝えると、上司は引き止める材料を探します。「〇〇の看護をもっと学びたい」「日勤中心で働ける部署で力を出したい」のように、行きたい先の話にしてください。
2. 時期を選ぶ
多くの病院では、年度替わりの人事に合わせて異動が決まります。面談の時期や、異動希望を出す書類がある病院なら、その時期に合わせて出すのがいちばん通りやすい方法です。自分の病院の決まりは、就業規則や先輩に確かめてください。
3. 行きたい部署を下調べする
行きたい部署の夜勤の回数、人の出入り、雰囲気を、知っている人から聞いておきます。「今よりまし」だけで選ぶと、異動先で同じしんどさに出会うことがあります。
上司への伝え方の例
「今の部署で学んだことを活かして、〇〇の分野を深めたいと考えています。次の異動の時期に、〇〇病棟への異動を希望として出させてください。」
伝えるときは、今の部署の悪口を言わないこと。言いたくなる気持ちは分かるけど、上司からすると「どこへ行っても不満を言う人」に見えてしまうから。
異動が通らなかったとき
希望がすぐ通るとは限りません。通らなかったときは、次の3つのどれかを選んでください。
- 次の異動時期まで待つと決めて、期限を自分の中で区切る
- 勤務の組み方(夜勤の回数など)だけでも相談する
- 病院の外の選択肢を調べ始める
病院の外を調べることは、今の職場を裏切ることではありません。転職の相談先の選び方もあわせて読んでください。
本日の処方箋
辞めたいと思ったら、まず「病院を辞めたいのか、部署から離れたいのか」を自分に聞いてください。後者なら、異動という手がまだ残っています。
よくある質問
異動を希望すると評価が下がりますか?
伝え方によります。今の部署の不満ではなく、行きたい先でしたいことを理由にすれば、前向きな希望として受け取られやすくなります。
異動の希望はいつ出せばいいですか?
病院によって違いますが、年度替わりの人事に合わせた面談や書類の時期に出すのが一般的です。就業規則や先輩に確かめてください。
異動しても状況が変わらない場合はありますか?
あります。病院全体の人手不足や給与の仕組みが原因の場合は、部署を変えても変わりません。
言葉にしにくい気持ちは、歌にしています
NURSE SOUNDTRACKは、白髪ナースのひかる・男性看護師のニコ・医師のツグ先生の3人が、現場の気持ちを歌にしている縦動画シリーズです。「やめる以外の働き方も選べる」を、歌で届けています。映像と音声はAIで制作していますが、内容は看護師の経験をもとに作っています。