
今週のナース時評 2026年10月17日|夜勤の並び、入浴だけの利用、看護管理者の学び
夜勤の勤務表、入浴支援、看護管理者の学び。今週の動きを、現場の言葉で整理します。
2026年10月17日号・10月16日公開
夜勤の回数が同じでも、勤務の並びで疲れ方は変わる。デイサービスでは「お風呂だけ使いたい」という声があっても、今の制度では簡単に応えられないことがある。
今週は、そんな現場の「仕組み」に関わる動きが三つありました。いずれも、明日から全施設の運用が変わるというニュースではありません。何が報告され、何がまだ検討中なのかを分けて見ていきます。
今週のカルテ
- 夜勤の並び方:厚生労働省が10月14日に公開した検討会議事録で、一病院の勤務表見直しが報告された。
- 入浴だけの短時間利用:10月14日の介護給付費分科会で、サービスが不足する地域での例外的な利用を検討する案が示された。
- 看護管理者の教育:日本看護協会が10月16日に公開した協会ニュースで、認定看護管理者の教育体系を段階的に改めると伝えた。
1.夜勤は「何回か」だけでなく「どう並ぶか」
9月14日に開かれた厚生労働省の検討会の議事録が、今週公開されました。そこで藤田医科大学病院が報告したのは、日勤と夜勤の切り替わりを減らす勤務表の取り組みです。同院では病棟ごとに段階的に試し、2026年4月から全病棟へ広げたと説明しています。
報告によると、生活リズムの昼夜の切り替わりは減りました。精神科病棟の看護師20人について活動量計で比べた調査では、1日当たりの睡眠時間が平均42分長くなったと報告されました。ただし、一病院の小規模な検証です。勤務表を同じ形にすれば誰でも眠れる、という結果ではありません。別の新人看護師への調査では、睡眠の指標がよくなっても勤務への満足度が一緒に上がったわけではない、とも報告されています。
私が気になったのは、夜勤の「回数」だけでなく、日勤や休みとの並び方を見ていることです。つらさを伝えるときも「夜勤が多い」に加えて、「昼夜の切り替えが続いている」と具体的に示せるかもしれません。
出典:厚生労働省・第5回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」議事録(会議は9月14日、議事録公開は10月14日)
2.「お風呂だけ使いたい」に、制度はどう応えるか
10月14日の介護給付費分科会では、通所介護などで入浴だけを短時間利用したいという相談が取り上げられました。厚生労働省の資料に載った速報値では、調査対象の事業所1,555か所のうち、約5割にそのような問い合わせや相談がありました。
資料が示した対応案は、訪問入浴介護などの事業者がいない中山間地域などに限り、通所介護等で入浴を目的とする利用を例外的に認めることを検討する、というものです。現時点で全国のデイサービスが「入浴だけの利用」を受けられるようになったわけではありません。
利用者にとっては入浴の機会、事業所にとっては送迎や人員配置、費用の問題が重なります。「希望が多いから受ける」「制度上難しいから断る」の二択で終わらせず、どの地域で何が足りないのかを見ていく議論として追いたいところです。
出典:厚生労働省・第270回社会保障審議会介護給付費分科会 資料1(10月14日。入浴のみのニーズは資料8ページ、対応案は15ページ)
3.認定看護管理者の学び方が変わる
日本看護協会は10月16日公開の「協会ニュース」10月号で、認定看護管理者(CNA)の教育を見直すと知らせました。看護管理研修は2027年から、新しいCNA教育課程は2028年から始める予定です。現在のファースト・セカンド・サードレベルで構成される教育課程は、2028年度をもって終了するとしています。
これは日本看護協会の認定看護管理者教育の話です。看護師免許の制度が変わるという意味ではありません。受講を考えている人は、今の課程と新しい課程の切り替え時期を、所属先や協会の案内で確認しておくとよさそうです。
勤務表の作り方や、地域のサービスをどう支えるか。最初の二つのニュースも、現場の管理や調整と無関係ではありません。管理者の学びが、スタッフの働き方と利用者の暮らしにどうつながるかを見ていきたいと思います。
出典:日本看護協会・協会ニュース2026年10月号/認定看護管理者教育の見直し
本日の処方箋
今週、職場で「個人の頑張りだけでは埋まらない」と感じたことを一つ、事実と一緒にメモしてみる。夜勤なら回数だけでなく勤務の並びを、入浴の相談なら希望の内容と地域で使えるサービスを。具体的な一件が、管理者や多職種と話す入口になります。
よくある疑問
入浴だけの短時間利用は、もう認められたのですか?
いいえ。10月14日の資料では、一定の地域条件の下で例外的に認めることを検討する案が示されています。現行の利用条件を直ちに変えるものではありません。
夜勤の並びを変えれば睡眠時間は増えますか?
今回の数字は、一病院の小規模な調査報告です。すべての職場や個人に同じ結果が出るとは言えません。
看護師免許や全員の研修義務が変わるのですか?
今回の発表は日本看護協会の認定看護管理者教育についてです。看護師免許の変更や、全看護師への新たな研修義務を知らせるものではありません。
※本文は2026年10月16日に確認した一次資料に基づきます。制度の運用を判断する際は、最新の厚生労働省・日本看護協会の案内と、所属先の方針をご確認ください。