【風、薫る】大関和は実在の人物!日本初の正規看護師の覚悟を現役26年ナースが読み解く
NHK朝ドラ『風、薫る』のモチーフとなった大関和(おおぜきちか)は実在の人物。1888年(明治21年)に帝国大学医科大学第一医院で訓練を修了し、日本初のトレインドナース(正規看護師)となった女性です。新潟県上越市・知命堂病院の初代看護婦長を務めた彼女が背負った覚悟を、現役26年の看護師が読み解きます。
この記事の結論(カルテ)
- 大関和は実在の人物:1858年生まれ、栃木県大田原市黒羽田町出身
- 1888年、帝国大学医科大学第一医院(現・東京大学医学部附属病院)で訓練修了
- 日本初のトレインドナース(正規看護師)の一人として誕生
- 新潟県上越市・知命堂病院の初代看護婦長を務めた
- 派出看護婦を女性の職業として確立、女性の経済的自立の道を切り拓いた
- 看護婦規則の制定にも尽力、60歳代半ばまで現役
- 「看護のはじまり」と呼ばれる、日本看護師の原点となった人物
問診室:朝ドラ『風、薫る』のヒロインは実在した
NHK朝ドラ『風、薫る』を観ながら「大関和って実在の人物?」「鈴木雅って本当にいたの?」と検索した方、答えは 「2人とも実在の人物」 です。フィクションの装飾はあっても、軸にあるのは1888年に日本で初めて正規看護師として誕生した実在の女性たちの物語。看護師人生を歩んでいる人、これから歩もうとしている人、すでに歩み終えた人、誰が観ても「自分のルーツ」が描かれている朝ドラです。
26年看護師をやってきて、「私たちのルーツがこの女性たちにある」と知って、改めて背筋が伸びた。1888年、明治21年。日本で初めて訓練を受けた正規看護師が誕生した年。それまで看護は「家族の世話の延長」だったのを、職業として確立した人たちがいた。
1888年って、明治21年ですよね。今から130年以上前。それで「正規看護師」っていう資格は、もうあったんですか?
正確には「訓練を受けた看護師」=トレインドナース。帝国大学医科大学第一医院(今の東大病院)で系統的な訓練を受けて、初めて職業としての看護師が日本に生まれた。大関和はその第一期生の一人。それまで日本の看護は経験則だけだったのが、ここから「学問」として組み立てられた。
今回のテーマです。大関和という実在の女性が背負った覚悟を知ることで、令和の看護師が自分の仕事を捉え直す視点が育ちます。朝ドラを観るだけでは流れていってしまう「歴史の重み」を、現役看護師として受け取る記事です。
回診記録①:大関和という人物の事実
朝ドラの脚色を取り払って、大関和の事実だけを整理します。「実在の人物として何をした人なのか」を知ると、ドラマの見え方が変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | 大関和(おおぜき ちか) |
| 生年 | 1858年(安政5年)4月11日 |
| 出身地 | 栃木県大田原市黒羽田町(旧・下野国黒羽) |
| 訓練修了 | 1888年(明治21年)帝国大学医科大学第一医院 |
| 主な勤務先 | 新潟県上越市・知命堂病院(初代看護婦長) |
| 業績① | 派出看護婦を女性の職業として確立 |
| 業績② | 看護婦規則の制定に尽力、内務省と頻繁に協議 |
| 現役期間 | 60歳代半ばまで看護師として活動 |
新潟県上越市の知命堂病院って、今もある病院ですよね?大関和さんが本当に勤務していたんですか?
知命堂病院は今も上越市で診療を続けている病院。その初代看護婦長が大関和。新潟県の医療と看護教育の土台を作った人物が、朝ドラのモチーフになった。地元の人にとっても、看護師にとっても、見逃せない作品。
回診記録②:1888年の「覚悟」と令和の看護師
1888年に正規看護師となるということは、令和の私たちには想像しづらいほどの覚悟を要しました。当時、看護は「女中仕事」「家族の世話の延長」と見なされていて、職業として確立されていなかった。その中で「正規の訓練を受けて職業看護師になる」と決めた女性たちは、社会の偏見と戦いながら一歩踏み出した。
大関和の波乱の人生も注目で、夫の妾(めかけ)が5人いて離縁、没落、そしてトレインドナースへの転身という経歴。30歳でゼロから訓練を受けて職業看護師になった。今でいうと、家庭崩壊の中で40代から看護学校に入って看護師になるようなもの。
えっ、そんな波乱の人生だったんですか?朝ドラだけ観てるとそこまで重い背景は描かれてないですよね……。
朝ドラは尺の都合で全部は描けない。でも本当に知っておいてほしいのは、大関和は「人生の底から立ち上がって看護師になった」女性だということ。これは令和の私たちにも通じる話で、何歳からでも、どんな状況からでも、看護師という職業は人生をやり直す手段になる。
「看護師は人生をやり直せる職業」という事実が、1888年の大関和の物語から、令和の私たちまで一本の線で繋がっています。これは朝ドラ『風、薫る』の本当のメッセージかもしれません。
回診記録③:大関和が引き継がせたもの、現代に残っているもの
大関和が60歳代半ばまで現役で築き上げたものは、5つに整理できます。これらは全部、今の私たちの仕事に直接繋がっています。
| 大関和が築いたもの | 令和の現場に残っているもの |
|---|---|
| 看護を「学問」として体系化 | 看護学校・看護大学のカリキュラム |
| 派出看護婦という職業形態 | 訪問看護ステーション |
| 女性の経済的自立としての看護 | 看護師資格を持つことの安定感 |
| 看護婦規則の制定へ尽力 | 保健師助産師看護師法(保助看法) |
| 初代看護婦長としての教育者役割 | プリセプター・教育担当看護師 |
「訪問看護ステーション」が大関和の派出看護婦の流れだったんですね……。私、訪問看護に興味あったので、ルーツを知れて嬉しいです。
そう。私たちが普通に使っている「訪問看護」「プリセプター」「保助看法」は、全部この時代の女性たちが切り拓いた道の延長線にある。職場で疲れた時、自分が何に支えられているかを思い出すと、また一歩踏み出せる。
【本日の処方箋】朝ドラ『風、薫る』を看護師として観る4ステップ
朝ドラを単なる連続ドラマとして観るのは、看護師にとってもったいない。自分の仕事のルーツを再発見する4ステップとして観ると、毎日の15分が学びの時間に変わります。
- 大関和の実在の事実を頭に入れて観る:1888年訓練修了/30歳から看護師/上越・知命堂病院初代看護婦長/60代半ばまで現役。フィクション部分と事実部分を分けて受け取る。
- 1888年と令和を毎回比べる:「あの時の医療技術はどうだった?」「あの時の看護師の立場は?」「今と比べて何が変わって何が変わってないか」を15分の朝ドラの中で意識する。
- 看護婦規則→保助看法の流れを意識する:今の私たちの法的な土台が、明治の女性たちの闘いの上にあるという事実を毎週1回は思い出す。
- 朝ドラを観た翌日の出勤で、現場の小さな所作に新しい意味を見つける:「これは100年前から続いている動作だ」と感じる瞬間を1日1つ見つける。これだけで毎日の仕事が違う色に見える。
「100年前から続いている動作」、いいですね。患者さんの脈を取る時、清拭する時、声をかける時、全部が歴史の延長にあるって思うと、なんか自分が大きな流れの一部に感じられます。
そう、「私一人の仕事」ではなく「130年続いてきた仕事の今日の担当」と思える瞬間が、看護師として長く続けるエネルギーになる。大関和も、知名堂病院で同じことを感じていたはず。朝ドラ『風、薫る』は、その感覚を視聴者にプレゼントしてくれる作品。
🩺 看護師としての自分の意味を見失っているあなたへ
「自分は何のためにナースをやっているのか分からない」あなたへ
消耗が続いて自分の意味が見えなくなった時、朝ドラ『風、薫る』を観るのは大きな処方箋になります。同時に、今の職場が自分の力を活かせる場所でないと感じるなら、看護師の退職代行サービスで次の場所へ動く選択肢を持っておくのも有効です。大関和も人生の途中で職業を変えた女性。あなたが看護師として歩む道は、今の職場の中だけではありません。
決めきれない気持ちを、一度外に出したい時へ
大関和のように人生の途中で道を選び直す話に触れると、自分の働き方や職場との距離を考えたくなる夜があります。答えを急がず、まず気持ちを言葉にして整理したい時は、第三者に話す選択肢を置いておいてもいいです。
※PRを含みます。医療判断や退職判断を代替するものではありません。制度・体調・お金のことは、必要に応じて専門窓口にも相談してください。
よくある質問
大関和は実在の人物ですか?
はい、実在の人物です。1858年(安政5年)4月11日、栃木県大田原市黒羽田町(旧・下野国黒羽)に生まれました。1888年(明治21年)に帝国大学医科大学第一医院(現・東京大学医学部附属病院)で訓練を修了し、日本初のトレインドナース(正規看護師)の一人となりました。
大関和はどこの病院で働いていましたか?
新潟県上越市の知命堂病院で初代看護婦長を務めました。同病院の助産師・看護婦養成所でも教鞭をとっており、新潟県の看護教育と地域医療の土台を築いた人物です。知命堂病院は現在も診療を続けています。
大関和の業績は何ですか?
主な業績は5つあります。①看護を「学問」として体系化する流れに貢献、②派出看護婦を女性の職業として確立、③女性の経済的自立の道を切り拓く、④看護婦規則の制定に尽力(内務省と頻繁に協議)、⑤初代看護婦長として後進の教育に尽力。これらの業績は現在の訪問看護・プリセプター制度・保助看法に繋がっています。
大関和の波乱の人生とは?
夫の妾(めかけ)が5人いて離縁し没落、人生の底からトレインドナースへの転身を果たした波乱の前半生で知られます。30歳で訓練を受けて看護師になり、60歳代半ばまで現役で活動しました。「人生をやり直せる職業としての看護師」を体現した人物です。
朝ドラ『風、薫る』はどんな物語ですか?
NHK連続テレビ小説第114作。日本初の近代看護師・大関和と鈴木雅をモチーフに、明治時代を舞台に、2人のトレインドナースの奮闘を描く物語です。主演は見上愛と上坂樹里。同じ看護婦養成所を卒業した2人が、患者や医師たちとの向き合い方に悩みながら成長し、最強のバディーになっていきます。
